ルートの有理化

 ルート(平方根)が分母にある場合、そのままでは計算がしにくいことがあります。そのため、分母からルートを取り除く操作を 「有理化」 といいます。


有理化の基本ルール

  1. 分母が単純なルートの場合
    分母が a\sqrt{a} の形になっているとき、分母と分子に a\sqrt{a} をかけます。

    1a=aa\frac{1}{\sqrt{a}} = \frac{\sqrt{a}}{a}

  2. 分母がルートを含む加減の場合(共役を利用)
    分母が a+b や abの形の場合、分母と分子に 共役をかけます

    1a+b=abab2\frac{1}{\sqrt{a} + b} = \frac{\sqrt{a} - b}{a - b^2}


    共役とは?

    「共役」とは、ルートを含む式において、符号を反転させた式のことです。
    例えば:

    1. a+b\sqrt{a} + b
    2. ab\sqrt{a} - b

    共役を利用する理由

    分母にルートを含む場合、有理化するためには分母をルートが含まれない形(整数や単純な式)に変える必要があります。
    これを実現するために、分母と分子に共役をかける操作を行います。

    共役をかけると、「和と差の積」の公式を使えるため、次のように計算が簡単になります:

    (a+b)(ab)=a2b2

具体例で解説

例題

12+1\frac{1}{\sqrt{2} + 1}

解き方

  1. 共役を確認
    分母が 2+1\sqrt{2} + 1

  2. 分母と分子に共役をかける

    12+12121\frac{1}{\sqrt{2} + 1} \cdot \frac{\sqrt{2} - 1}{\sqrt{2} - 1}
  3. 分母を計算する(和と差の積を利用)

    (2+1)(21)=(2)2(1)2=21=1(\sqrt{2} + 1)(\sqrt{2} - 1) = (\sqrt{2})^2 - (1)^2 = 2 - 1 = 1
  4. 分母が 11 になるので、分子をそのまま書く

    211=21\frac{\sqrt{2} - 1}{1} = \sqrt{2} - 1

まとめ

  • 「共役」は、ルートを含む式の符号を反転させたものです。
  • 有理化で使う理由は、「和と差の積」の公式を使うことで分母のルートを消せるからです。

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